ども、ゆうせいです。三重県・大台町商工会からのお招きで大台町の魅力を伝える旅に行ってきました。今回は、三重県大台町で50年以上も和菓子職人として活躍されている「法菓堂」の巽(たつみ)さんから聞いたモチベーションのお話です。
三重県大台町で100年以上も続く老舗和菓子屋「法菓堂」。ご主人の巽さんで3代目、20歳で職人となったそうです。
現在77歳の巽さんですが、「毎日、新しい商品のことを考えて、試作するのが何より楽しい」と笑顔で語ります。今でも毎日のように新商品を開発し、試行錯誤を繰り返しているそうです。
しかし、病気で身体を壊してからは、1日のうちの半分は昼寝をして過ごしていたこともあったとのこと。どのようにしてモチベーションを高め、毎日を楽しんでいるのかお聞きしました。
既存の商品と年金でぼちぼちやっていた…
既存の人気商品「あんもん」は三重県大台町の温泉宿泊施設「奥伊勢フォレストピア」で、お茶請け菓子として出されています。「甘いもの」という意味の「あんもん」は、求肥にクコの実を練り込み、黒ごまの羊羹を優しく包んだ和菓子。
あんもんと年金でぼちぼちやっていた…そんなある日、商工会のコンサルタントから「もっと外に出てみませんか? 新商品を作ってみてはどうですか?」と言われたそうです。
そこで、松阪市で開かれた勉強会に参加し、外向きの商売について学び、それがきっかけで外に出ることが楽しくなり、近隣の明和町でお菓子の即売会をすることにつながったのだとか。
即売会に参加して、「やっぱり自分にはお菓子を作るしか能がない」と気がつき、それからは試作品を作っては商工会などに持ち込み、感想を聞き、また試作品作りに活かしていったそうです。
お菓子を作り、食べてもらい、話をすることでアイデアをもらう。そしてそれが商品になったら嬉しいな、という気持ちでお菓子を作っていると笑顔で語ってくれました。
そんな巽さんが作った新商品「お茶っ粉餅」
法菓堂の新商品、「お茶っ粉餅(おちゃっこもち)」がこちらです。
三重県大台町産のお茶粉末がまぶされた求肥で、口当たりの良い白手亡の白あんを包んだ和菓子です。「道の駅奥伊勢おおだい」で販売中で、中日新聞、松坂ケーブルテレビで紹介されたこともあり、午前中で売り切れてしまうこともある人気商品に。
しかし、実は開発当初は粒あんだったとのこと。粒あんで試作品を作り、多くの方に試食してもらったところ、粒あんよりこしあんの方が良いとの反応があったそうです。そこで、赤のこしあん、そして白あんと進化し、今の「お茶っ粉餅」が完成したとのことです。
新しいものを出し続けることの喜び
巽さん曰く、「商売というものは、新しいものを出し続けなくてはいけない。だから楽しい」のだそうです。
現在は、むしカステラにきんかんゼリーを入れた商品を試作しているとのこと。そして、このきんかんゼリーの部分を、大台町の名産品であるゆずに変えてみようなど、まだまだ開発に精を出されるようです。
70歳を過ぎてもなお、新しいものづくりに前向きに挑む巽さんからモチベーションをもらいました。三重県大台町に行かれたら、ぜひ法菓堂のお菓子を食べてみてはいかがでしょうか。
それではまた。ご存じ、ゆうせいでした。
法菓堂
■営業時間:8時ごろ~18時(※変更あり)
■定休日:不定休
■TEL:0598-76-0043
■住所:三重県多気郡大台町江馬302